肘痛・肘の痛み

肘に負担がかかる動作とは

日ごろほとんど持つことがない重いものを運んだりして、急激に肘に負担をかけてしまうと上腕骨外側上顆炎を起こす場合が多いです。
そして、日常の生活での家事(炊事、掃除)、買い物など肘に負担をかけてしまう動作は多いです。
その毎日の生活を送っているだけでも徐々に肘に負担をかけ、上腕骨外側上顆炎になることもあります。

さらに、趣味でテニスやゴルフ、野球など肘を使うスポーツを過度にしてしまうと肘に痛みが現れる人がいます。
テニスの場合、30歳過ぎて始めた人は、上腕骨外側上顆炎が起こりやすいといわれています。
また、テニスでボールを回転させるトップスピンという打ち方をすると上腕骨外側上顆炎が起こりやすいといわれています。
ゴルフに関しては、利き腕とは逆に、反対側の肘に起こることが多いようです。

上腕骨外側上顆炎が起こるとさまざまな動作で痛みを感じ、日常の生活に支障が出ます。
その主な動作は、「物をつかむ」「ドアノブを回す」「タオルなどを絞る」「ビールをつぐ」「字を書く」「蛇口をひねる」などです。

上腕骨外側上顆炎とは

上腕骨外側上顆炎は、日常の生活で肘を過度に使いすぎると起こる病気です。
一般に言われる「テニス肘」も含まれます。
「テニス肘」と聞くとスポーツを思い浮かべると思います。
しかし、必ずしもそうではありません。
上腕骨外側上顆炎の多くは、テニスに関係なく起こり、スポーツをしない主婦や中年男性に見られます。

上腕骨外側上顆炎は、肘の外側に痛みが現れます。
骨の変形や肘の動きが悪くなることはありません。
ですので、上腕骨外側上顆炎は、比較的軽度の病気だと思います。
軽度であっても、痛みは長引き半年?1年間続く場合もあります。
まれに、数年間医療機関に治療しに通院する人もいます。
また、治ったと思っても再発するということもあります。
したがって、上腕骨外側上顆炎は、治りにくい病気といえます。

肘が痛くなるその他の病気

上腕骨外側上顆炎のほかにも、肘が痛くなる病気があります。
それは、「変形性肘関節症」「野球肘」「関節リウマチ」です。

変形性肘関節症とは、長年の間仕事などで肘を酷使したことにより、骨の軟骨部分が擦り減り、硬い骨同士がぶつかってしまい、骨自体が変形してしまう病気です。
変形が進行すると、肘の曲げ伸ばしにも影響がでます。
膝と違い肘は、体重がかからないので、普通に生活しているだけであれば、変形性肘関節症になることは少ないです。
この病気を同じようなことが膝にも起こります。
変形性膝関節症といいます。
加齢によってたくさんの人に起こる病気です。

野球肘とは、野球が原因で起こる肘の痛みの病気です。
特に、投球時の手首を反らす動きや肘を伸ばす動きによって、関節の骨や軟骨に影響を与えます。
プロ野球の選手や小中高校生など練習を過度にした人に起こりやすいです。
少年野球では、野球肘を防ぐために練習量を制限したり、調整することがとても大切なのです。

関節リウマチとは、全身の関節が炎症して、「痛み」「腫れ」「変形」が起こる病気です。
免疫機能の異常を抑制する「抗リウマチ薬」を使用して治療します。

上腕骨外側上顆炎の特徴

上腕骨外側上顆炎の特徴は次のようなものです。
<筋肉の付着部にダメージが与えられる>
肘の外側の筋肉(上腕骨の外側上顆)には、手首を反らす筋肉(短燒側手根伸筋)が付いています。
この付いている部分に過度な負担がかけられ、炎症が起こります。
しかし、現在までにすべてが証明されているわけではないので、関節の内部で何か起こっているのかわからないこともあります。

<上腕骨外側上顆炎になった原因がわからない>
上腕骨外側上顆炎になった原因が「重いものを持った」「スポーツを始めた」などはっきりと分かることもあれば、今までと何にも変わらない生活をしていただけで上腕骨外側上顆炎になったとはっきりと原因が分からない場合もあります。
そういった場合は、日常の家事などで肘に徐々に負担がかかったために上腕骨外側上顆炎になったとされています。

<少しの動作でも痛い>
痛みが起こる場所は、肘の外側に起こります。
痛みが起こる動作としては、「物をつかむ」「ドアノブを回す」「タオルなどを絞る」などです。
基本的に手を動かさなければ、痛みはありません。
しかし、痛みの程度はひどいと動かすことができないほどの痛みを伴う場合もあるようです。

<利き腕に起こりやすい>
圧倒的に利き腕に起こりやすいようです。

<30?50歳代に多いです>
筋肉の柔らかさが衰えていくのに、筋肉は維持されているため、無理してしまった結果、大きく負担をかけてしまうのです。
筋肉自体が衰え、重い荷物などをあまり持たない高齢者ほど起こりにくいといえます。

上腕骨外側上顆炎の診断方法

上腕骨外側上顆炎は、急いで受診して治療を開始しなければいけないものではありません。
まずは、「安静」にしてみることです。
しかし、「痛みの原因がわからない」「安静にしても痛みが長引く」という場合、整形外科を受診することをおすすめします。
上腕骨外側上顆炎が疑われる場合は、検査を行います。
その検査とは、次のようなものです。

<エックス線検査>
「骨の変形」など異常がないか確認します。
上腕骨外側上顆炎の炎症などは、画像には現れません。

<疼痛誘発試験>
医師によって、指で肘を押し、痛みが起こる部分を探っていきます。
他に、「抵抗下手関節伸展テスト」「抵抗下中指伸展テスト」などが行われます。
抵抗下手関節伸展テスト・・・医師によって、患者さんの手首を曲げるように力を入れ、手首を反らすようにします。
抵抗下中指伸展テスト・・・医師によって、患者さんの指を上から押し、患者さんはその力に負けないように指を反らせます。
どちらのテストでも、上腕骨外側上顆炎の場合は、肘の外側が痛みます。
そして、エックス線で他の病気などもなく、疼痛誘発試験で肘の外側の痛みなど確認できた場合は、上腕骨外側上顆炎と診断されます。

上腕骨外側上顆炎の治療法

上腕骨外側上顆炎の治療法にはいくつかの種類があります。
主なものは、次のような治療です。
<安静>
できるだけ肘を動かさないように家事やスポーツをせず、休ませます。

<消炎鎮痛薬>
内服、湿布、軟膏などが処方されます。

<ステロイド薬の局所注射>
筋肉の付着部に局所注射をして、炎症を抑えます。

<装具>
装具を着けることで動きが制限されるので、筋肉に力が入らず、痛みを抑えます。

<テニスバンド>
痛みの軽減にもつながるため、家事やスポーツをするときに使います。
肘バンドやエルボーバンドなどと呼ばれ、市販しているので入手しやすいです。

<ストレッチング>
手首を反らす筋肉を伸ばすことを目的に行います。
ストレッチングを行うことで筋肉が柔らかくしなやかになります。

<はり治療>
はりを用いてツボを刺激します。
ツボを刺激することで肘の痛みが軽減されます。

肘の痛みにはストレッチングやテニスバンド

自分で行うストレッチングの手順について説明します。
<右肘が痛い場合>
1.右腕を前に伸ばします。
2.手のひらが右側を向くように腕を回します。
3.左手で右手の中指を持ちます。
4.手首が曲がるように中指をゆっくり引っ張ります。

左の肘が痛い場合は、逆に行います。
回数などは決まりがないので、無理なく行ってください。

そして、テニスバンドは、肘より少し手首寄りの最も太いところにバンドを装着します。
締めすぎてしまうと、腕がしびれる可能性があるので注意してください。
テニスバンドを装着することで、筋肉にかかる力が分散されます。
そのため、痛みが軽減されるようです。
この場合、伸縮性のあるサポーターなどでは、効果を得ることはできません。

肘に負担の少ない対処法

肘に負担をかけずに行う治療法のおすすめは、3つあります。
その3つは、「安静」「ストレッチング」「テニスバンドの装着」です。
その中の「安静」は、とても大切なことです。
肘の痛みがあったとしても、無理して手を使ってしまう人がたくさんいます。
もちろん、家事をしたりするので、手を使わずにいるということは難しいと思います。
しかし、できるだけ手を使わずに、安静にするように心がけてほしいです。
家事などでひじを動かしたり、しなければならないときは、テニスバンドを着けます。

また、ストレッチングを行い、筋肉の伸縮性を上げることも大切です。
ストレッチングの開始時期は、発症と同じころからすぐに始めて大丈夫です。
肘の痛みがひどいときは、肘の痛みを少しでも軽減するために、ステロイド薬の局所注射やはり治療など受診することも考えてみるのもよいと思います。
しかし、ステロイド薬の局所注射やはり治療の効果の持続については期待できません。
ステロイド薬の局所注射やはり治療の効果は、短期的なものと考えてください。

そして、痛みがあると、人は「イライラ」「憂鬱」になりがちです。
肘など痛みがひどく、家事など生活に支障がでるほどだと、より「イライラ」「憂鬱」になります。
まずは、病気の特徴を知って、「安静」と「ストレッチング」などを根気良く、続けていくことが大切です。



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